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建物滅失登記とは?概要や申請期限&申請者、必要書類、怠った場合のペナルティなどについて解説


建物を取り壊したり、火災で焼失したりした場合、法務局に備え付けられている登記簿の記録を閉鎖する手続きが必要になります。これを「建物滅失登記」と呼び、怠ると様々な不利益をこうむる可能性があります。


そこでこの記事では、建物滅失登記の「概要、申請期限、申請する人、必要書類、怠った場合のペナルティやデメリット」などについて、詳しく解説します。これから建物の取り壊し等を検討されている方や、手続きができておらず不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。


参考:土地家屋調査士法人「臼井事務所」ホームページ


1.建物滅失登記とは?

物理的に建物が存在しなくなった場合には、登記簿上の建物の記録を閉鎖する手続きが必要です。登記記録を閉鎖することにより、固定資産税の課税対象から外れるなど、その建物に関する権利関係を明確にできます。


■建物滅失登記が必要なケース

建物滅失登記は、主に以下のケースで必要となります。


①建物を解体したとき

老朽化や建て替えなどの理由で、建物を取り壊した場合、建物滅失登記が必要です。解体工事が完了し、建物が完全に撤去された後に手続きを行います。


②火災で建物が焼失したとき

火災により建物が焼失し、元の状態に復旧できない場合も建物滅失登記が必要です。このようなケースでは、消防署等から「罹災証明書」などを取得し、手続きを進めます。


③災害等で建物が滅失したとき

地震、津波、台風などの自然災害によって建物が倒壊、流出するなどして滅失した場合も、建物滅失登記が必要となります。このような場合には、法務局による職権登記など、ケースバイケースの対応が検討されます。




2.建物滅失登記の申請期限と申請者

建物滅失登記には、申請期限と申請できる人が定められています。適切に手続きを進めるために、しっかりと確認しておきましょう。


1)申請期限は1ヵ月以内

建物滅失登記の申請期限は、建物が滅失した日から1ヵ月以内と定められています(不動産登記法 第57条)。期限を過ぎても申請は可能ですが、後述するペナルティが科せられる可能性があるため、速やかに手続きを行いましょう。


2)登記申請ができる人

建物滅失登記の申請は、原則として以下の方が行います。


①建物の所有者

登記簿に記載されている建物の所有者が申請人となります。共有名義の場合は、共有者のうちの1人から申請することが可能です。


②建物の相続人

建物の所有者が死亡している場合は、その相続人が申請人となります。相続人が複数いる場合は、相続人のうちの1人から申請できます。


③利害関係人である土地所有者(法務局による職権登記)

所有者や相続人からの申請がない場合でも、法務局の職権で滅失登記を行えることがあります。

例えば、自分の土地に他人名義の建物登記が残っている場合などは、利害関係人である土地所有者が申請することで、法務局が現地調査を行い建物がないことを確認し職権で滅失登記を行います。




3.建物滅失登記の必要書類

建物滅失登記には、様々な書類が必要になります。ケースによって必要書類が異なる場合があるため、事前に確認し、不備なく準備することが大切です。


1)建物滅失登記申請書

法務局の公式サイトからダウンロードするか、法務局の窓口で入手できます。申請書には、建物の所在地、種類、構造、床面積なども記入します。



参考:法務局「不動産登記の申請書様式について(建物滅失登記申請書 記載例)」


2)建物滅失証明書(建物を取り壊した業者からの証明書)

建物の解体業者に発行してもらう書類です。解体工事が完了したこと、建物の所在地、所有者、解体年月日などが記載されています。




3)解体業者の代表者の印鑑証明書&資格証明書

解体業者が法人の場合、代表者の印鑑証明書と資格証明書(登記事項証明書など)が必要です。ただし、申請書に会社法人等番号を記載することで、これらの書類の添付を省略できる場合があります。解体業者が個人の場合には、代表者の印鑑証明書等が必要です。


4)委任状

土地家屋調査士などの代理人に申請を依頼する場合は、委任状が必要です。委任状には、委任者の住所氏名、代理人の住所氏名、委任事項などを記載します。


5)登記簿上の所有者が死亡している場合には戸籍謄本等

登記簿上の所有者が死亡している場合は、所有者の死亡が確認できる戸籍謄本等と、申請者が相続人であることを証明するために、相続関係がわかる戸籍謄本等も必要です。


さらに、登記簿に記載されている所有者の住所と本籍のつながりを、確認できる戸籍の附票等と、相続人(申請人)の住民票または戸籍の附票も添付します。


6)その他

状況に応じて、滅失した建物の登記簿謄本や面図など、その他の書類が必要になることがあります。また、火災で建物が滅失した場合は、前述の消防署が発行する「罹災証明書」などが必要になる場合もあります。



4.建物滅失登記を怠った場合のペナルティ・デメリット

建物滅失登記は、不動産登記法で義務付けられている手続きであり、建物の所有者には申請義務があります。この手続きを怠ると、様々な不利益をこうむる可能性があります。


1)10万円以下の過料に処せられる可能性がある

不動産登記法 第164条では、建物滅失登記の申請義務者が、申請をすべきであるにもかかわらず、その申請を怠ったときは「10万円以下の過料に処する」と定められています。滅失登記は、建物が滅失した日から1ヵ月以内に申請する必要があるため、期限内に忘れずに手続きを行いましょう。


2)固定資産税を請求され続けることがある

建物滅失登記を怠ると、法務局の登記記録上では建物が存在し続けていることになります。そのため、実際には存在しない建物に対して、固定資産税が課税され続ける可能性があります。


固定資産税は毎年1月1日時点の登記記録等に基づいて課税されるため、滅失登記を行わない限り、無駄な税金を払い続けることがあるため、ご注意ください。


3)土地の売却や活用に支障が出ることがある

建物が滅失しているにもかかわらず、滅失登記がされていない土地は、様々な問題を引き起こす可能性があります。


例えば、その土地上に新しく建物を建てようとする場合、建築確認申請の際に、滅失登記がされていないことが問題となり、手続きが進められないことがあります。


また土地を売却しようとする際にも、滅失登記がされていないことがネックとなり、買主が見つかりにくくなる、あるいは売却価格が下がるなどの影響が出る可能性もあります。土地の有効活用やスムーズな売却のためにも、建物滅失登記は確実に行うことが重要です。




5.建物滅失登記は土地家屋調査士の独占業務です

建物滅失登記は、ご自身で手続きを行うことも可能です。法務局の窓口で相談したり、インターネットで情報を収集したりすることで、必要書類の準備や申請書の作成を進めることができます。


ただし、建物滅失登記には不動産登記に関する専門的な知識が必要となり、図面等の確認作業や書類収集、申請書の作成など多くの手間と時間がかかります。不備なく、スムーズに手続きを完了させるためには、専門家である土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。


建物滅失登記の代行業務は、土地家屋調査士の独占業務と定められています。司法書士など他の専門家は、建物滅失登記の代行業務を行うことはできませんので、ご注意ください。


土地家屋調査士に依頼することで、正確かつ迅速に建物滅失登記の手続きを完了させることができ、時間や労力を節約できるだけでなく、法的なトラブルを未然に防ぐことにも繋がります。



6.土地建物の表題登記は「臼井事務所」へご相談ください

建物滅失登記は、建物が滅失した際に必ず行わなければならない重要な手続きです。申請期限内に適切な手続きを行わないと、過料が科され、固定資産税の支払いが続くなどの不利益をこうむる可能性があります。


建物滅失登記は、ご自身で行うこともできますが、専門的な知識が必要で手間もかかるため、土地家屋調査士に依頼することをおすすめします。


土地家屋調査士法人「臼井事務所」は、建物滅失登記をはじめとする不動産の表題登記等に関する豊富な経験と実績を有しており、お客様の状況に合わせて最適な手続きをご提案し、迅速かつ丁寧にサポートいたします。

建物滅失登記に関するご相談は、ぜひ当事務所にお任せください。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。


参考:弊所ブログ「家を新築、増築、解体したときに必要な登記とは?すべて土地家屋調査士にお任せください!」


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