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土地の境界紛争・境界トラブルとは?具体例や解決策を土地家屋調査士が解説します

土地の境界紛争・境界トラブルは、隣接する土地の所有者間で、土地の境界線の位置や範囲について意見が食い違うことによって起こる問題です。このようなトラブルの解決はなかなか難しいものですが、放置しておくと、さらに問題が拡大したり、裁判に発展したりする恐れがあり注意が必要です。


そこで、この記事では、土地の境界紛争の具体例や解決策を、土地家屋調査士という専門家の視点から解説します。土地家屋調査士は、土地の境界を調査したり、登記申請を行ったりする国家資格者で、境界トラブルの予防や解決に役立つ知識や技術を持っています。この記事を読むことで、土地の境界紛争・境界トラブルに関する基礎知識や対処法を学ぶことができますので、ぜひ参考にしてください。


1.土地の境界紛争とは?

土地の境界紛争とは、隣接する土地の所有者間で、土地の境界線の位置や範囲について意見が食い違うことによって起こるトラブルです。土地の境界線は、土地の所有権や利用権の範囲を明確にするために重要なものですが、実際には多くの場合で不明確なままになっています。


そのため、増築や改築をしたりするときなどに、境界線の位置が問題になることがあります。また、土地の売買や相続などの際にも、境界線の確認が必要になることがあります。


土地の境界紛争は、以下のような原因で発生します。

●土地の境界線が不明確である
●土地の登記記録と現況が一致しない
●土地の境界標が失われたり移動したりしている
●土地の越境や侵入があった
●土地の所有者や利用者が変わった


土地の境界紛争は、単なるトラブルではなく、法的な争いに発展する可能性があります。土地の所有権や利用権は、民法や不動産登記法などの法律に基づいて決まりますが、それらの法律は、一般的な原則や規定しか定めておらず個別の事例に応じた解決方法は示されていません。そのため、土地の境界紛争は、事実関係や証拠の有無などによって、判断が異なります。


また、土地の境界問題は、感情的な対立や信頼関係の崩壊など、人間関係の悪化にもつながります。そうなると、話し合いや調停などの円満な解決が困難になり、裁判に訴えるしかなくなることもあります。土地の境界については、弊所ブログお隣との境界を明確にしたいときの方法や必要になるケース、トラブルの対処方法も参考になりますので、ぜひご覧ください。



2.土地の境界紛争の具体例

土地の境界紛争は、さまざまな場面で発生しますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。


例1)塀の設置でトラブルに

Aさんが自宅敷地内に新たな車庫を設ける計画の一環として、隣接するBさんの敷地との間に塀を建設しました。この行動に対し、Bさんは塀が自分の土地を侵害していると指摘。これに対し、Aさんは登記上の境界線に基づいて正確に測定されていると主張しました。一方、Bさんは登記情報の信頼性に疑問を呈し、かつて設置されていたが現在はなくなってしまった境界標を根拠に自説を展開。結局、双方は一歩も引かず、塀の撤去や損害賠償を求める事態に至りました。


例2)土地の売買でトラブルに

Eさんが自己所有の土地をFさんに売却しようとした際、Fさんは土地の境界線がはっきりしないことに気づきました。Eさんは、隣接するGさんと以前口頭で合意した境界線があると述べましたが、この合意に関する書面や明確な証拠は存在しませんでした。そのため、Fさんはこの合意の実態を疑問視し、Gさん自身もそのような合意を思い出せないと言っています。結果として、EさんとFさんは土地の売買契約を結ぶには至らず、境界線の確定が必要となる状況に直面しました。




3.土地の境界紛争は「土地家屋調査士」にご相談ください

土地の境界紛争は、自分で解決しようとすると、かえって事態を悪化させることがあります。そこで、土地の境界紛争に関する相談や依頼は、土地家屋調査士に任せることがおすすめです。土地家屋調査士とは、土地の境界線を調査したり、登記申請を行ったりする国家資格者で、以下のようなサービスを提供します。


●土地の境界線の測量や確定
●土地の登記記録の調査や整理
●土地の登記申請の代理や手続き
●土地の境界紛争の予防や、解決のための相談や調停


土地家屋調査士は、土地の境界紛争に関する法律や技術に精通しており、中立公正な立場で調査や調整を行うことができます。また、土地の境界線を明確にするために必要な登記申請も代行してくれますので、面倒事をまとめて任せることが可能です。土地家屋調査士に相談することで、土地の境界線に関する正確な情報を得ることができるだけでなく、隣地所有者(隣人)とのトラブルを円満に解決できる可能性が高まります。




4.土地の境界紛争の解決方法

土地の境界紛争には、さまざまな解決方法がありますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。


1)話し合いで解決

最も望ましい解決方法は、隣地の所有者と話し合って、互いに納得できる境界線を決めることです。話し合いの際には、登記記録や地図、地積測量図などの資料を参考にするとよいでしょう。また、土地家屋調査士に立ち会ってもらうと、専門的なアドバイスを受けることができ、話し合いがスムーズに進みます。話し合いで境界線が決まったら、その内容を書面に残して署名捺印し、登記申請までしっかりと行いましょう。


2)筆界特定制度を利用する

話し合いで解決できない場合には、法務局が行っている「筆界特定制度」を利用できます。筆界特定制度とは、土地の所有者の申請に基づいて、筆界特定登記官が民間の専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。筆界特定制度を利用することによって、公的な判断として筆界を明らかにできるため、隣人同士で裁判をしなくても、筆界をめぐる問題の解決を図ることができます。また、申請人の資料収集の負担も軽減されるメリットもあります。

参考:法務省「筆界特定制度」


3)日本土地家屋調査士連合会(ADR境界問題相談センター)を利用する

話し合いや筆界特定制度で解決できない場合には、ADR境界問題相談センターを利用できます。ADR境界問題相談センターとは、土地家屋調査士会が設置している、土地の境界問題に関する相談や調停を行う機関です。ADR境界問題相談センターでは、土地家屋調査士や弁護士などの専門家が、中立的な立場で、当事者間の話し合いや調停を支援します。この制度を利用することによって、裁判よりも低コストで早期に境界問題を解決できます。


参考:日本土地家屋調査士連合会「ADR境界問題相談センター」


4)民事裁判を起こす

話し合いや調停などの裁判外の方法で解決できない場合には、最終的には民事裁判を起こすことになります。民事裁判では、裁判所が、当事者の主張や証拠などを検討した上で、筆界位置や境界変更などの判断を下します。


民事裁判を起こすことによって、法的に確定的な解決を得ることができますが、その反面、時間や費用がかかるというデメリットもあります。また、裁判の結果に不満がある場合には、控訴や上告などの上級審に進むこともできますが、それに伴ってさらに時間や費用がかかることになります。


参考:法務局「境界問題でお困りの方へ」



5.境界紛争は「ADR認定土地家屋調査士」臼井事務所にご相談ください

土地の境界紛争は、法的な解決はもちろんのこと、近隣住民との円満な関係の修復も、非常に重要なポイントになります。


弊所「土地家屋調査士法人 臼井事務所」は「ADR認定土地家屋調査士」も在籍し、法的な解決サポートはもちろん、20年の実務経験をもとに隣人との関係修復も、中立的な立場でサポートいたします。土地や建物のお困りごとは、まずはお気軽にお問い合わせください。

土地家屋調査士


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